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小林麻美 個展「次の予鈴が鳴り響き、」
会 期 2023年10月7日(土)〜10月29日(日) 11:00〜18:00 火曜・水曜 休廊
ある日、絵の中になんのモチーフも描きたくないな、と思いました。絵を「解けない問い」「更新し続ける問い」と真面目に考えすぎていた時の事です。描きたいものを選択する中には、無意識を掘り起こす要素が多かれ少なかれ混ざりこみます。自覚するより前にアンテナを反映する絵の特性に、少し辟易したのだと思います。 そこで粘土を触り、漂うようにプールに浮かび、大量の野菜を細かく刻んで鍋に放り込み、塩おにぎりを家族とたらふく食べました。それから気軽な絵日記のようなドローイングを描き、雑多な日常と自分の時間を繋ぐ橋渡しにしました。 そうするうち、個人の身体を通してでしか体感できない、と大げさに握りしめていた世界の存在は遠のいていきました。そうは言っても、眼前の世界と、世界を感受する自分の間に半透明の幕を感じ、絵画空間と現実が繋がる感覚の中で、「微かに残るわたし」がまた歩き出します。ここ数年、光や希望にまつわる表現に出遭うことが多く、柔らかな色、形や光を吸い込みながら、救われるような気持ちになっていました。 そして今、行列を為した大きな案内板から横に目を移し、小さな道しるべのような共鳴に耳を澄まします。その共鳴を今回の個展では、「予鈴」という言葉のイメージに重ねました。 この予鈴は微かですが、思いのほか遠くまで響いています。わたしは少なめの持ち物を確認し、教室に向かうことにしました。作者略歴
小林麻美 /Asami Kobayashi主な展覧会
- 2023
- 「Natural Draw」栗田健/小林麻美(Alt-Medium/東京)
- 2023
- 「びょういんあーと」(札幌文化交流施設Scarts / 札幌)
- 2023
- 「ゆきとけてうたうにわ」(ライラック病院 / 札幌)
- 2022
- 「Signal sauvage 野生の思考」(ギャラリー茶廊法邑 / 札幌)
- 2022
- 「2+2 (ギャラリーレタラ / 札幌)
- 2021
- 「ミュージアムアートフェア」(芸術の森美術館 / 札幌)
- 2020
- 「VOCA展2020」(上野の森美術館 / 東京)
- 2018
- 500m美術館 vol.27「絵画の現在地」(札幌大通地下ギャラリー500m美術館 / 札幌)
- 2017
- 小林麻美個展 「眼に触れる」(岩見沢市ギャラリー松島記念絵画館 / 札幌)
- 2015
- 「絵画の未知数」(ギャラリーレタラ / 札幌)
- 2013
- 「らいらっく新鋭展」(道銀ギャラリー)
- 2012
- 「絵画の場合最終章」(北翔大学ポルトホールギャラリー/札幌)
- 2012
- 「New Eyes2012となりのひと」(本郷新記念彫刻美術館 / 札幌)
- 2011
- 「記憶の循環」(苫小牧市立樽前小学校 / 北海道)
- 2011
- 「アートプラネット2011」(JRタワープラニスホール / 札幌)
- 2008
- 「シェル美術賞2008」(代官山ヒルサイドフォーラム / 東京)
- 2008
- 「風景がわたしをみているような気がする」小林麻美個展(TEMPORARY SPACE/ 札幌)